戦国武士の合戦心得
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No.2004026 2004/11/03
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テレビドラマや映画では、その視覚的な効果や芸術的な必要から、そこに表現される戦国合戦の様子は真実と同じとは言えません。 戦国時代、命懸けの戦場で武士たちはどのように戦ったのか。武器・武具・旗指物のいろいろから、鎧を着ての斬り合い、騎馬武者同士の組討ち、 鉄砲戦、船戦さ、女武者、切腹・首実験の作法まで。誤解されてきた武士たちの戦いの実態を、正確な考証とリアルな絵で再現したビジュアル歴史読本! 小さな文庫本らしくもない内容ですが、それは、もともと単行本だったものを文庫に直したからです。 豊富な図表はさすがです。正確な時代考証をしてから書かれたとのことですが、残念ながらその出典が明らかになっていませんので、 本当に正確かどうかは判断ができません。かつて、このように、「この本は正しい」として出版された本の中にも、間違いだらけのものが少なく ありませんでしたからね。 この本にも、あきらかな間違いを見つけています。25ページの刀の部位名称の図なのですが、小刀のそりが逆に描かれています。小刀には、 小柄を収納する櫃と呼ばれる細工がしてありますが、これが、反対側に描かれているのです。 腰にさした時に、小柄は内側にこなくてはなりませんが、絵の通りだと、外側になってしまうのです。 それでもまあ、良くまとめてある本です。多少の間違いは、なにしろ昔のことを推測して書いているのですから、しかたがないでしょう。全体像をおおまかに 知るには最適な本です。 |
届出・手続きマニュアル
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No.2004025 2004/10/24
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社員数50人ほどの専門会社を設立し、その総務管理を担当することになりました。さて、各種の手続きはどのようにすれば良いのか? 暮らしの中で、必要となるさまざまな届出・手続きはとかく面倒なもの。しかし、用意すべき書類、印鑑の種類をあらかじめ知っておれば、 一挙に完了。煩雑な届出・手続きもこの一冊ですっきり解決。 大きな会社ならば、それぞれ専門の教育を受けてきた社員がいるでしょう。しかし、小規模な組織では、一人でなんでも こなさなければならない。そこで、各種の手続きの方法を知る必要があると考えたのです。 会社の手続き関係について、なにか良い本はと、顧問会計士に質問したのですが、 「適当な本はありませんね。あったとしても、分厚い専門書ばかりですからね」と言われてしまいました。 実際は、発生都度調べるしかないのでしょうけれど、そもそも、どんな届出があるのかも知らないことから、 書店で探して見つけたのがこの本でした。 一般的な届出とその手続きだけの薄い本ですので、充分ではないでしょうけれど、一般的な戸籍関係と会社設立関係、社会保険関係と事件や事故対応、 海外渡航なども一通りは載っていましたので購入しました。 要領よくまとまっていますので、座右のマニュアルになることは確実です。 |
池波正太郎の食卓
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No.2004024 2004/10/11
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食べ物を愛した作家、池波正太郎氏の愛した料理を再現した本です。 こよなく食べることをだいじにした人、「食通」や「グルメ」でなく、本物の「食道楽」だった人−池波正太郎が愛したその味を、 思い出や作品世界にふれながら、書生を十年つとめた男とゆかりの料理人二人が完全再現。四季折々の味を和洋二編、十二ヶ月に 分けて徹底紹介する。豊富なカラー写真に加えて、親切指導のレシピ付き。読んで良し、作って良し、食べて良し、大満足の一冊。 裏表紙の宣伝文句で、すべて言い表してしまった内容の本です(^ム^;) この種の、池波正太郎氏にからんだ料理の本は数え切れないほど出版されています。そのどれを読んでも感じることは、池波正太郎氏の 味覚の幅の広さです。 食通を気取る人の中には、極端に味覚の幅の狭い人がいます。和食しか食べない。いえ、食べられない。ちょっと香辛料が入っていると、勝手に 邪道と決め付ける。そんな人は、私たちの周り、普通の隣人にも多いですね。 世界各地のエスニック料理など、たとえ、最初に食べたときに口に合わないと感じても、それは不味いからではないのです。 それは、それぞれの地域で市民権を得ている「美味しいもの」なのですから。それを、美味しくないと感じたとしたら、自分の 味覚が未熟だと思わなければいけません。美味しく感じるまで、何度でも試して、自分の味覚を鍛えることが必要なのです。 和食から洋食、この本には書かれていませんが、おそらく、エスニック料理まで、池波正太郎氏は、その鍛えた味覚で、美味しいものを 美味しいと感じていたのでしょうね。 |
「中国の歴史」がわかる
50のポイント |
No.2004023 2004/10/09
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解っているようで解っていない中国の歴史、それを、解りやすく解説する文庫本です。 始皇帝による国内統一、項羽と劉邦の死闘、三国時代の争い、宋文化の繁栄、異民族による支配、文化大革命……。 中国の歴史は実に奥深く波乱に富んでおり、勉強すればするほど面白くなる。本書は、文明の誕生から近代国家の成立まで、 中国の歴史でこれだけは押さえておきたいポイントを50に絞って徹底解説。どこから手をつけたらいいかわからないという人の ための入門の入門書。 好きだ嫌いだを超え、21世紀は、少なくともアジアでは中国の時代になることは確実です。 そして、歴史は繰り返す。歴史の知識を持つことは、その国を正しく理解するために必要なことと私は思います。 現代人の基礎教養の一つとして、中国の歴史を学術的にかつ正確に理解することは必要なことです。 そのために、この本をお勧めします。 |
春
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No.2004022 2004/08/16
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このページでは初めて紹介する童話の本です。 センチメンタルな画風の「夢二式美人」、恋の唄「宵待草」の作詞などで知られる、漂泊の画家・竹下夢二。そんな彼が、じつは子供向けに 数多くのイラストや童謡、童話を創作していたことはあまり知られていない。本書は、夢二が我が子に向けて書いた童話全十九篇を収載した。 夢二唯一の童話集。 竹久夢二とは、浅からぬ因縁があります。 現在住んでいる地域の近くに、かつて夢二が住まい、記念館も建っていること。河童にのめりこむきっかけとなった仙台の「炉ばた」の 先代のご主人が、竹下夢二のお弟子さんだったこと。などなど(たいしたことではありませんが(^ム^;) それはそれとして、大正ロマンを象徴する、時代の雰囲気を創りあげた巨人、「竹久夢二」の童話集です。一読の価値はあります。 |
ビジネスデータ分析実践の極意
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No.2004021 2004/08/08
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仕事でExcelの表を作り、グラフにして分析することがしばしばあります。 そんな分析手法を、ちゃんと勉強しようと思い、書店で適当に買ったのがこの本です。 内容は、期待していたグラフの使い方を解説した本とはまったく違っていました(^ム^;) 私は知らなかったのですが、Excelには、それなりの形式で表を作っておくと、まるでデータベースを操作するように、 縦横斜め、各種の分析やグラフができる、「ピポットテーブル」という機能が付いていたのです。この本は、「ピポットテーブル」の利用に関する本でした。 どんなデータかと言うと、例えば売り上げデータです。顧客名とその所在地、売った商品の名前に数量・金額、営業担当者名など、まあ、一般的な 営業データなどですが、それから、顧客別や地域別、商品別・金額別。色々な観点から分析することができる機能なのです。 驚きでした。まあ、私が分析しているデーターは、残念ながらそのような形のデータではないので、応用はできそうもありませんでしたが、 Excelはすごい。本に書いてある通り動かしてみて実感しました。 買った目的とは別の本でしたが、一気に最後まで読んでしまいました。分析するということ、その観点をどこにおけば良いのかということなど、 直接ではなくても参考になる記述が多かったからです。 本格的な営業分析ソフトは高くて買えないが、手元にあるデータを使って手軽に分析をしてみたい、そんな方にはお勧めの本です。 |
利根川散策絵図
No.2004020 2004/08/05
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厳密に言うと本ではないかもしれませんが、面白い絵地図です。 利根川の源流から河口までの、川とその周辺の史跡、観光地や名物、特に地酒は、その銘柄までが絵になって印刷されています。 もちろん、利根川に流れ込む渡良瀬川も、源流から画かれています。 この地図を片手に、源流から河口まで、川に掛かる橋の写真を撮影しながら旅したら楽しいでしょうね。 でも、何日かかるのかしら? |
The Book of Tea
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No.2004019 2004/07/10
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欧米人に向け、日本の文化と精神を、茶の心を通して紹介している歴史的な本です。 もともと、英文で書かれた本でしたが、これまでに読んだのは日本語訳でした。偶然、このページにもリンクのある、アマゾンの 通販ページで英文の本書を見つけ、購入しました。 Tea began as a medicine and grew into a beverage.In China,in the eighth century,it entered the realm of poetry as one of the polite amusements. The fifteenth century saw Japan ennoble it into a religion of aestheticism,--Teaism.Teaism is a cult founded on the adoration of the beautiful among the sordid facts of everyday existence. 日本における茶道とは何か。その歴史から思想、そして茶道が発達しからこその華道や禅にまで、日本文化を幅広く紹介するのがこの本です。 ただ、第一章だけがちょっと異質です。西洋人が、日本人や東洋人を見下していることに憤りつつ、西洋人には日本人に対する偏見があり、日本人には西洋人に対する偏見があることを認め、 茶の心を紹介することにより、正しい日本人の姿を文化を知って欲しいとの思いが、連綿と書き綴られています。 この「茶の本」の全文和訳が掲載されているホームページを見つけました。 テキストでの和訳だけではなく、音声での読み上げもできる凝ったページです。 岡倉天心:茶の本 |
Automotive Technology
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No.2004018 2004/07/04
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書籍の形で発行された雑誌、ムックです。書籍(季刊)ですから、ISBNがついています。雑誌の番号もあります。書籍と雑誌の混血(^ム^;) まあ、それはどうでも良いのですが。なんで今、車の雑誌を、経済新聞社系列の日経BP社が創刊するのか……。 今、自動車業界は揺れ動いています。 と、言っても、三菱自動車問題ではありません。 自動車業界が、二つの大きな分岐点に差し掛かっているのです。 1つは、代表的な機械産業だった自動車業界が、電子産業になりつつある。エンジンの電子制御に始まり、単に位置を表示するだけのナビゲーションと車そのものが 合体し、自動運転を模索する。そこには高度なコンピュータが内蔵される。今や、自動車の材料費の過半数が電子部品になるつつあるのです。 そしてもう1つは、世界の自動車供給基地が、中国に移ろうとしている。日本はどうなって行くのか? 現代社会を代表する流れが、まさに、自動車業界に起こりつつあるのです。 時代ウオッチャーとしては、見逃せない雑誌です。 |
Messages!
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No.2004017 2004/06/26
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来客があり、ミーティングが設定される。以前でしたら、紙の資料を用意するところですが、昨今はプロジェクターとスクリーン、パソコンを用意し、 パワーポイントで作ったスライドで説明をすることが主流になりました。 来客が日本人ではなかった場合。英語で作ることになりますが、さて、困った。 プレゼンテーションで大事なことはパワーポイントのスライド作りだけではありません。肝心なのは、相手に知ってもらいたいメッセージを、 いかに正確に、強く、効果的に伝えることができるかどうかです。そこには暗黙のルールがあります。優秀なプロのPR担当者は、この暗黙のルールを きっちり守って、プレゼンテーションを成功に導いています。いくらビジュアルがかっこよくても、うまく英語をしゃべることができても、独りよがりでルール違反のプレゼンテーション では、決してあなたのメッセージは相手の心に届きません。では、暗黙のルールとはどのようなものでしょうか。それを体系的にまとめたのが本書です。 さあ、私と一緒に英語プレゼンテーションのルールを1つひとつ確認してゆきましょう。 本書は、英語でのスライド作りのほかに、それを見せながらのトークを詳しく解説しています。 スライドの方は、基本的に日本語で作り、英訳すれば済んでしまうことが多いですが、トークが難しい。そう思っている方に最適な 本です。 |
ビジネスプレゼン200の鉄則
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No.2004016 2004/06/12
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私は、マイクロソフトのプレゼンソフト「パワーポイント」を、プレゼンのスライド作成だけではなく、日常の報告書などにも活用しています。 あまりにも豊富な機能をもったパワーポイントなので、なかなか使いこなせない。そう感じていました。 シナリオ作成、PowerPointでの資料作成、実施の準備、当日の発表テクニックまで、プレゼン実施ステップの全体を網羅して、 従うべきルールや定石、具体例を200項目の「鉄則」として整理しました。 資料作成テクニックの章では、完成度の高いサンプルを数多く提示。そのまま真似したりヒントにしたりできます。 実施テクニックでは、事前のチェックリストや発表技術など役立つツボを多数掲載し、実用性に徹しています。 読者に大好評のどこからでも読める「1ページ1項目」のモジュール形式。パッと見てわかるルールと具体例。 プレゼンの定石を網羅、パラパラ開いて眺めるだけで仕事のヒントがつかめます。 パワーポイントの効果的な使い方を知りたくて買った本ですが、ソフトの使い方解説本というだけではなく、 見栄え良く、説得力のあるスライド創りから、会場での発表のしかた、服装まで、ちょっと笑える(と書くと叱ら れるかもしれませんが)ほど、事細かに書かれている本です。 ソフトウエアーの使い方本とはまた少し違った、こんな本を読み理解しておくのも、ビジネスマンの知的生産の技術の一つなのではと思っています。 |
個人情報保護法
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No.2004015 2004/06/06
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現在は、自治体などの行政機関が対象の法律ですが、まもかく、一般をも対象として施行されます。
立法担当官による信頼の”わかりやすい”解説。IT社会を支える法的基盤として、個人情報保護法に寄せられる 期待は絶大だ。個人情報に関わる自治体・取扱事業者、行政機関・民間企業、そして関心あるすべての読者の疑問に 具体的にこたえる必読・必携の書。 裏表紙には、「期待は絶大だ」なんてかかれているけれど、いったい、だれが期待しているのでしょうかね。 私には悪法としか思えない。中途半端な笊法でありながら、処罰まで規定されている恐ろしい法律。しかも、行政法ですから、警察は無関係ですが、 漏れたとなると、マスコミが大騒ぎ、まるで、軽薄マスコミにネタを与えるための法律のよう。 法律を厳密に適用すると、例えば、インターネットの掲示板などで、個人を特定できることを書いても法律違反。オフの集合写真も、全員の了解を取らないと 掲載できない(たまたま後ろを通りかかった人の了解をどうやって取るの?)など、自由を縛る法律として機能してしまうのですから怖いのです。 ましてや、仕事上の情報だったとしたら、マスコミは所属する企業名を出して大騒ぎする。昨今の報道を観察すると、それを待っているとも思えるので始末が悪い。 置忘れやスリ被害など、無くすことを考えると、仕事上の名簿など持ち歩けないし、個人の手帳にも、個人情報を書けない。つまり、友人の住所録や電話帳ですら持ち歩けないのです。 それを無くすことは、個人情報を第三者に漏らすことになって法律違反になるのですから。 とは言っても、趣旨には賛同せざろう得ない部分もあり、今後、実態に合わせての改正を期待しつつ、後ろ指刺されないためにも勉強は必要と思います。 |
丹下左膳(一)
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No.2004014 2004/05/30
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人には、それぞれ、子供時代のスーパーヒーローがありますね。 私の時代ならば、「鉄腕アトム」や「鉄人28号」。もう少し後の年代ならば「ウルトラマン」や「仮面ライダー」でしょうし、 逆に前ならば「赤同鈴之助」や「月光仮面」。それが、もっとずっと、戦前の子供にとってのスーパーヒーローが、「鞍馬天狗」であり、この「丹下左膳」でした。 時代小説のスーパーヒーローが遂に登場! 名前は知っている。映画になっていることも知っているし、テレビドラマもあるようなのだが、実のところ良くは覚えていない。 まして、本になっている小説は読んだことが無い。そんな方が大多数でしょう。 今回、厚さが2センチほどもある文庫本3冊で出版されました。 エンターテメント系時代小説の原点である林不忘の「丹下左膳」。古典を読むつもりで読んでみてはいかがでしょうか。 |
三国志
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No.2004013 2004/05/29
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私が読書を趣味と明確に意識したのは、すでのこの欄でも紹介した「吉川英治 三国志」です。 このシリーズ本は、歴史をベースに、著者が創作した日本文学でしたが、本書は、中国の原典を翻訳した 中国文学の「三国志」です。 天下の大勢は、分かれて久しいと必ず合い、合って久しいと必ず分かれる。時は後漢王朝末期。 腐敗を極める朝廷から人心は離れていた。野望に燃える群雄は各地に起ちあがる。劉備、関羽、張飛の三人は桃園で 義兄弟の契りを結び、激動に身を投じてゆく。さらに董卓、呂布、曹操……。三国鼎立前夜。覇権をめぐる男たちの、 権謀術数渦巻く動乱の時代が、幕を開ける! 吉川本ほどには長編ではありませんが、それでも厚目の文庫本で4冊のシリーズなので、まだ読み始めたばかりです。 「三国志」には、中国でも数種類があるそうですが、本書は、その中でも最も大衆文学として広く読まれている「三国志演義」 を原典に翻訳されているとのことです。 大衆にわかりやすく書かれた切れ味の良い原典の翻訳ですので、吉川本とはまた異なった面白味を感じさせてくれます。 ただし、文章は小説家のそれではありません。おそらく、中国語を読むことのできるというだけの人が翻訳したのでしょう。 文章には文学性や品位、味が感じられません。 語法にも間違いが多く、せりふの部分など、下町のスラングのような下卑た文言が使われています。始めは意識して使っている のかと思って読んでいましたが、地の文章にもそんな低俗な俗語表現があり、「ああ、この作者は正しい日本語を知らないな。美しい日本文を 読んでいないな」と、確信するにいたりました。 しかし、原作が面白いのですから、読む価値はあります。文学作品を読むのではなく、場末の寄席で落語を聴く、そんな気持ちならば、充分に楽しめますよ。 |
宗教世界地図
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No.2004012 2004/05/02
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この種の宗教解説本を、なんども紹介してきました。理由は、私自身が無宗教であること、無宗教だからこそ、公平に宗教を見つめ、 世界の動きを理解する助けにしたいと思っているからです。 イラク再建の鍵を握るイスラム教シーア派の動向は? キリスト教が米大統領選挙に与える影響力とは? 法輪功、キリスト教など中国政府はなぜ宗教勢力に怯えるのか? 時代を動かす原動力「宗教」は、世界をどこに導くのか? 21世紀に入りますます混迷の度合いを深める国際情勢を45本のコラムで読み解く。旧版をすべて刷新、最新情報満載。 宗教を切り口に世界の今を徹底解明。 外務省出身であり、現在は中東現代政治を専門とする防衛大学教授である著者による、宗教をベースとして国際情勢を解説した本です。 宗教も政治も、その立場によって見方ががらっと異なる分野です。この本は、現職の防衛大教授という、政府に限りなく近い立場からの、宗教と 国際政治の解説です。 これをそのまま正しいと見るのか、色が付いていると見るのか。それは、読まれる方の判断に任せたいと思います。 |
伊勢詣と江戸の旅
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No.2004011 2004/04/17
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4月は、まったく偶然でしょうけれど、岩波書店と文藝春秋の二社から、江戸時代の伊勢詣の旅を扱った新書が発行されました。 |
女性筆者による、旅の経費に注目した本書を購入しました。 江戸時代、全国に流行した伊勢詣。人びとは伊勢講を組織して貯金し、選別をもらい、農閑期を選んで団体で出発した。 道中では旅籠代を節約したり、渡し船の先導に酒手を強要されたりしつつ伊勢に到着。すると緋毛氈の駕籠に迎えられ、御師の大邸宅では 御馳走づくめに絹の布団が出る。神楽の奉納に名所・遊女屋の見物、土産の購入と、旅の全てを拾い、その経費を現代の円に換算して 庶民の旅の実態を描き出す。弥次・喜多になって旅する気分になれる一冊。 遠い時代の生活を、金額で評価することは興味深いものです。ただし、物の種類による価値観の全く違う現代とそれらの時代です。どのように換算するかが大問題です。 江戸時代については、金1両を、現代日本円のいくらに相当させるかで様子ががらっと変ります。換算額は、筆者により異なり、1両の価値を高く見積もる著者は20万円くらい。 一般的には10万円くらいでしょう。しかし、この本の筆者は、安めに換算し、6万円くらいにしているようです。 1両が6万円とすると、商店に住み込みの女中の年俸が15万円くらいと、ちょっと安すぎるとも感じますし、吉原での花魁の揚げ代が10万円くらいと、こちらはなんとなく 納得できる換算レートです。逆に、20万円とすると、女中の年俸は納得できるが、揚げ代が高すぎる。庶民とお金持ちとの間に、物価感覚に大きな差があるのが江戸時代だった のでしょう。この本のテーマは庶民の旅行ですから、6万円のレートはちょっと安すぎる気もします。 筆者は学者ではなく、作家です。小説を書くために集めた資料から、作家ならではの想像力を味付けとして、江戸時代の庶民生活を生き生きと描いています。 |
民俗学の熱き日々
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No.2004010 2004/04/03
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民俗学の祖は、柳田國男先生であることは、広く知られ、認められていることですね。現代でも、民俗学者を称する学者は数多く、学会もあります。柳田國男は、没後四〇年を過ぎても、いまだに日本の学問・思想界に絶大な影響力を保っている。しかし、彼が独力で開拓したと言っても過言ではない民俗学は、その後、 独創的な継承者を得られず、彼一代の学問として燦然と輝いているのである。本書は、民俗学の黎明期にあった柳田の詩的な精神が、民俗学者ではなく、むしろ異分野の 研究者、思想家、作家などに受け継がれていった経過を、丹念に追跡する試みである。 河童が好きな私です。河童と民話を通じて、それが成立した頃の「民の心」を知りたいと思うのです。 これって、一種の民俗学だと思っています。ただ、現在の民俗学者の研究テーマとはちょっと違う。 この本には、柳田先生の民俗学の精神が、学者ではなく、むしろ思想家や芸術家に引き継がれていったと書かれています。おそらく、 私の目指す民俗学は、まさに、この方向なのだろうと認識しました。現代民俗学とは違う、「浪漫(ロマン)民俗学」ですね。 洒落で造ってお会いした方に渡す個人名刺の次にバージョンの肩書きには、「浪漫民俗学・河童と民話研究家」と書こうと思っています(^ム^;) |
データ分析はじめの一歩
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No.2004009 2004/03/20
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新聞雑誌はもとより、世の中にはデーターが満ち溢れています。データーは、客観的な信頼できるもの、そんな感覚を持ちがちですが、
その分析によっては、まったく別の結論がでることもあるので危険です。無味乾燥に見える数値情報も、上手に分析すれば、そこからは有効な情報、重要な傾向などを読み取ることができる。 10数年も前、市場調査の仕事をしていました。しかしその後、データ集めの仕事からは離れ、各種の職務についてきていましたが、 データは出来上がったものを参照し参考にすることばかりでした。 このままではいけないと、鈍った頭脳を再活性化するためにもと、講談社のブルーバックスの1冊を買ってきました。 以前は主に、紙と電卓で分析をしていましたが、いまや、高性能のパソコンが手元にある環境です。パソコンを使った効率の良いデータ分析の スキルを習得したいと思っています。この本がそんな気にさせてくれました。 |
古着屋総兵衛影始末
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No.2004008 2004/03/14
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骨太の時代小説です。 徳川家康の命により、古着屋としての表の顔に隠した「影」としての顔を持つ武士集団の頭領、六代目大黒屋総兵衛の物語。 次々に起こる事件を解決するというストーリーは、一種の捕物帳ですね。ただ、軽さは無い。かと言って、硬くもない。絶妙のバランスの 文章は、さすがにとうならさせられるものです。 文庫としては、かなり分厚1冊が、それぞれ一つの長編小説になっていて、一気に読み終わらなければ我慢できない。そんな迫力を持っています。 最新刊まで、すでに9冊、まだまだ続くと思います。 最近は、女性作家の時代小説を好んで読んでいる私でしたので、久々に読み終わると「つ、疲れた」と感じる。そんなシリーズです。 お勧めです。 |
やきもの鑑定入門
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No.2004007 2004/02/29
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ハウツー物とはまた違う入門書です 骨董趣味がないとは言っても、焼き物(陶器・磁器)の基本的な知識を持っておきたい。そんな気持ちから購入した本です。 日本の焼き物は、中国と韓国との影響を強く受けています。日本独特のものではない。よって、私たちが目にする焼き物には、 日本製のほかにも中国や韓国から輸入されたものも多くあります。 そんな焼き物伝来の歴史やそれぞれの特徴まで、詳しく解説されている本書は、まさに圧巻です。とても数ミリの薄さの本とは 思えない内容です。もちろん、写真や図表も豊富です。 ちょっと凝った焼き物を手にするとき、この本は座右に置いて参照する、とても便利な本です。 |
Perl/CGI入門
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No.2004006 2004/01/30
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このページ初めてのハウツー物の登場です(^ム^;) CGIという言葉をご存知ですか? ホームページ上で動くソフトウエアーのことです。例えば、このホームページでも使っている「アクセスカウンター」や、「掲示板」などが、 このCGIで動いています。そして、そのCGIを書くプログラミング言語がPerlと呼ばれるものです。もっとも、Perlは、CGI専用ではなく、 一般のプログラムも記述できる言語の一種ですけどね。 このホームページで使っている「カウンター」や「掲示板」は、既製品です。それぞれ、それなりに実績もあり使いやすいCGIですが、 どうしても、自分なりのオリジナリティのある動作を望むとすると、そこは自分で作らなければなりません。 そこで、勉強をすることにしたのです(^0_0^) さてさて、四十の手習いならぬ「五十の手習い」です、しっかりと勉強ができて、Perlを使いこなせるようになるのかどうか? まあ、最低でも、既製品のCGIを分析し、カスタマイズできるくりの実力はつけようと思っています。 |
大江戸生活体験事情
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No.2004005 2004/01/24
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大江戸事情シリースの6冊目。この後は今のところ出版されていないので、最新刊ということになりますね。
江戸の日常は、なぜ現代人の百文の一のエネルギー消費で足りたのか。火打ち石で火をおこすコツから旧暦で暮らすメリット、行灯生活の豊かさに、毛筆、着物、下駄の便利さまで。江戸人が持っていた知恵と伝承、生活を楽しむ工夫を、 碩学二人が二年にわたる実体験で明かした興味津々、侃々諤々の面白エッセイ。 江戸時代考証、生活事情を説明した本は数え切れないほどありますが、この本は、そんな生活事情を、法政大学教授、生活学の田中優子氏と、ご存知時代考証の石川英輔氏とが、実体験を通して検証し、結果をエッセイとしてまとめた 風変わりな本です。 資料と個人体験とのコラボレーションですから、そこには、個人の感性と色が付いてしまうという部分もありますが、それがかえって面白い。ちょっと風変わりな面白い本です。 |
お江戸の意外な生活事情
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No.2004004 2004/01/22
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No.2003047(2003年バクナンバー)にて紹介した「お江戸の意外な「モノ」の値段」に先駆けて発行されていた本です。
将軍家のお膝下・江戸は、すでに18世紀ごろ、世界有数の消費都市だった。街は活気に満ち、物見遊山が盛んになり、 歌舞伎や寄席、浮世絵などの文化も花開いていた。しかし、江戸庶民の普段の衣・食・住はどのようなものだったのだろうか。 本当にテレビドラマや映画のようだったのだろうか。本書ではその他、遊びや労働、犯罪など、江戸庶民の実際の「意外な生活ぶり」を紹介する。 典型的な江戸時代の時代考証本です。特に目新しい内容ではありません。すでにこのページで紹介している江戸研究書などから取材して易しく一般向けに 編集した著作です。 本書の特徴は、タイトルにもあるように「意外な」というキーワードをもとに、難解な文章であるオリジナルな研究書の内容を、著者の推察を交えて解りやすい言葉に 書き直しています。 一般常識として、ちょっとした会話のテーマとして、江戸庶民事情知識を手軽に得るには最適な本であると思います。 |
文房具52話
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No.2004003 2004/01/18
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この本は、私が買った本ではありません。父親の書庫に有ったのです。 出版された1996年9月は、私が香港駐在になった月です。そして、このほんの数ヶ月前に、著者の「串田孫一」先生とお会いしています。万年筆の専門店での立ち話ですが(^ム^;) 文房具は元々大好き人間の私です。串田先生が、「サライ」に連載していた文房具のコラムの愛読者でもありました。その雑誌で紹介された「モンブランのマーカーペン」を、 上野アメ横のお店に買いに行ってお会いしたのです。その時にはまだ、香港に駐在するなんて思ってもいませんでした。 この本が出版される予定であることは、串田先生のフアンの一人として知ってはいたのですが、なにしろ、海外転勤のドタバタの最中でしたので、すっかり忘れていました。その 本が、自宅に有ったのです(^ム^) 本の「後記」を読むと、この本に書かれている文章の大半は、1970年からの4年間に書かれたもののようです。すでに30年ほど経っているのですね。しかし、文房具が、手で使う 道具という、まさに文房具らしい輝きを放ってい、その最盛期が、この頃だったのでしょうね。生き生きとした文章は、今読んでも心うきうきさせてくれます。 最近は、パソコンでする仕事が増え、文房具の話題が日常の話題になることはあまり無くなりましたが、この本を読んでみて、文房具の楽しさを再認識されてもらいました。 帰国してすでに1年半を超えました。日常使う文房具も、駐在以前(1996年以前)に入手した物で間に合わしているものがほとんど。これを契機に、優れた文房具を集め直してみようと思っています。 |
IN POCKET
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No.2004002 2004/01/16
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二度目の雑誌の紹介です。前回はいわゆる特別号でしたが、今回はそうではなく、定期出版されている雑誌そのものの紹介です。ただし、大きさは文庫です。 古くは、文庫本の宣伝用の小冊子だったのではないかと、薄っすらと記憶していますが、現在では「立派な雑誌」です(^ム^;) サイズはちょっと厚めの文庫本と同じ、価格も200円と、まさに異色ずくめの変な雑誌ですが、人気の読みきりの時代小説(佐藤雅美氏の「啓順凶状旅」)が掲載されていたり、 北原亞以子氏や椎名誠氏など、人気作家の連載小説が6本もある、なかなかあなどれない小説雑誌なのです(^0_0^) 一般に書店では、雑誌売り場ではなく、文庫の新刊売り場に置いてあったりします。一度買ってみてはいかがですか。 |
山水画入門
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No.2004001 2004/01/02
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岩波書店が、ちょっと大きめ、変形の新書のシリーズを出版しています。中国国画の第一人者が手ほどきする書家必携の一冊。画才には恵まれていないことを認識している私ですが(^ム^;)、自分では書かなくても、見ての良さは解るし、もっと深く理解をしたい。 そんな気持ちからこの入門書を買いました。 これまでにも、似たような入門書を数冊入手したことはありましたが、そんな中でも、この本が最も具体的であり、かつ解りやすい入門書であると感じています。お勧めです。 |