気ままにそぞろ歩き
齋藤茂吉記念館
(山形県上山市)

掲載日:2004年8月2日

 毎年恒例の「河童サミット」が、山形県のかみのやま温泉で開催されるので、8月1日、群馬の自宅を車で出て、東北自動車道と国道13号を使い行きました。

 少し早めに出発したので、時間に余裕があったことから、上山出身の歌人「齋藤茂吉」の記念館を訪ねてみました。
 東北自動車道の「福島飯坂インターチェンジ」を降り、国道13号線を山形方面に走りました。牛肉で有名な米沢市を抜けると、 片側1車線が多い山道となり、トンネルをいくつも通り抜けながら道は北へ北へと続いています。

 高畠町、南陽市と通り、上山市に入ると左に折れる県道458があります。齋藤茂吉記念館は、この458の右側(東側)にあります。

 この看板は反対側の北側から通ってくると見ることができます。
 県道から東に入ると、そこには広い駐車場があります。そこの車を止め、徒歩で記念館へと向かいました。

 駐車場と記念館との間には、JR山形線の線路があり、その上の橋を渡って記念館へとはいります。

 この看板は、その橋の右側に建てられています。

 看板の後ろ側が谷になっていて、そこが線路なのです。
 橋を渡りきると、そこには、良く手入れをされた美しい樹木に守られた記念館の建物が、上品にひっそりと建っています。
 記念館の正面の広場です。玉砂利が敷き詰められた前庭には、ゴミ1つ落ちてはいません。

 緑に囲まれた記念館は、30度を越える気温がまるで別の世界のことであるかのように、涼やかに感じます。

 聴こえてくるセミの声までも、暑苦しくは無く、心に染み入るようでした。

 平屋に見える建物ですが、実は地下があり、展示室は2階建の構造になっています。
 前庭には、茂吉翁の胸像が立てられています。

 建物に入り、右側に入り口があります。見学料金は大人400円でした。

 1階には、齋藤茂吉の生まれや略歴、家族に関する個人的な資料が展示されています。
 茂吉翁の居室が再現されています。四畳半の狭い部屋ですが、座机があり、布団も置いてありましたから、執筆に疲れた時には、 この部屋で寝ることもあったのでしょう。
 六畳の集会室です。壁面に書棚が作りつけてあり、この部屋を使い、歌会や講演会、展示など、多目的に利用していたようです。
 晩年に受賞した文化勲章が展示されていました。

 ガラスケースの中に収納されていたので、正面からは照明が写りこんでしまい、しかたなく、斜め横からの撮影しました。

 本物の文化勲章を目にしたのは初めてでした。
 茂吉翁愛用の硯箱です。

 文房具大好きな私ですから、どうしても目が行ってしまいます。

 すばらしい漆塗りの硯箱でした。
 壁際に、ひっそりと目立たないように、茂吉翁のデスマスクも展示されています。
 階下に下りると、そこには、歌人齋藤茂吉としての展示がされています。

 その入り口には、茂吉翁が愛した言葉「写生道」が大きなレリーフとなって掲げられていました。

 この展示室には、多数の書籍や茂吉翁の筆跡、軸などが展示されています。また、息子である「齋藤茂太氏」や「北壮夫氏」に 関する展示もありました。
 愛用した品々も展示されています。
 かつての文化人は、篆刻による落款を愛用しました。多数の愛用印も展示されています。

 同じ地下のフロアには、映像展示室もあり、18分のスライドと音声による齋藤茂吉の人生と歌人・文化人としての仕事を紹介する 番組を定期的に映写しています。

 多数の投影機を使った作品は、茂吉翁への尊敬と愛情の気持ちが伝わるすばらしいものでした。

 時間が無く、記念館だけを見学しましたが、庭には、齋藤家の昭和14年に建てられた別荘も移築されており、また、 明治14年に明治天皇の東北巡幸の際に使われた小休所を復元した「環翠亭」も立てられているそうです。

hpmanager@albsasa.com Albert 佐々木