香港四方山話(2004年1〜3月)





 親の面倒を見る責任  2004/03/31
 親は子の面倒を見るのが当たり前、子供が親の面倒を見るなんて、病気にでも ならない限り考えもしない。現在の日本の一般的な感覚ではないでしょうか。で も、そうではない国もあります。

 青少年の70%『親の面倒を見る』
 香港青年会と広州市穂港青少年研究所が先ごろ1000人の小中学生を対象 に行った『家庭における青少年の責任と役割』と題した調査で、両地ともに 回答者の70%が『親の面倒を見るのは子供の責任』と回答し、平均的な意 見として『(将来は)月給の30%を親に渡したい』と語った。
 さらにうち香港の30%と広州市の40%は『月給の40%以上を親に渡し てもいい』と回答した。残りの30%は『親の面倒は子供と社会の両方の責 任』と考えていた。だが一方、『親のことを常に積極的に考える』と答えた 香港の青少年は26%、『親が元気がないときにはなぐさめる』はわずか1 6%と、両親への関心の低さを示す結果も表れた。
 29日付『星島日報』が伝えた。
         日刊香港ポスト2004年3月30日より

 かつての日本は、農業を始めとした自営業が大半でした。親が家業に精出して 子供を養い、子供が大きくなると、親と共に家業に働き。親が年を取って隠居す ると、子供が親の後を継いで親の面倒を見る。それが一般的でした。

 それが、国民の大多数が、なんらかのサラリーマンとなり、様子が変りました。 これまでは、年金制度が上手く廻っていたことから、リタイヤした親は、子供の 面倒にならなくても暮らせる。子供は親の面倒を見ることも無く、自分の子供の 面倒だけを見ていれば、それでよかった。

 これも一種の順繰りですから、それはそれで良いのですが、年金制度が破綻し たりすると、回転が止まって大問題となる。

 香港には、国家制度としての年金制度がないので、収入の無くなった親は、子 供が面倒を見ない限り飢え死にします。そんなことから、子が親の面倒を見るこ とは当然、そんな社会システムになっているのですね。

 どちらの方が良いのか、一概にはいえませんが、古い日本のスタイルの方が良 かったのではないかと、個人的には思っています。


 直通フェリー  2004/03/30
 香港国際空港から、香港に入国することなく、直接中国内の広州市などの中国内都市に行くことのできるフェリーを運航するとのことです。

 香港空港、フェリー運航で広州新空港に対抗
 香港空港管理局は、広州市の新空港開港に伴う競争激化に対応して、香港国際空港と広州の間でフェリーを運航し、 広州から旅客を獲得する計画だ。
 26日付『明報』によると、香港国際空港では昨年9月にフェリーターミナルがオープンし、深セン市や東莞市、 マカオからの旅客が香港で入境手続きをせずに香港国際空港を通じて海外へ旅行することが可能となった。
 空港管理局ではこのサービスを広州、中山、珠海の各市に拡大し、うち広州便は今年上半期に運航を開始する予定だ。 また、空港管理局は広州新空港が完成する際に、香港の航空産業をアピールするプロモーション活動を計画している。
         日刊香港ポスト2004年3月29日より

 日本人にとっては、特別メリットがあるとも思えない直接便ですが、むしろ、中国国内の人にとっては朗報のはずです。

 香港は、特別行政区であることから、中国人でも、香港に入るには特別な許可が必要なのです。

 例えば、すでに香港に入る許可を持っているのならば別ですが、上海から日本に入った中国人は、通常は香港には入れません。

 以前、香港の隣のシンセン市で会議が開催され、関係会社からも代表者が出席しました。ある会社に、上海の子会社から日本の本社に 駐在している中国人スタッフがいて、一緒に参加することになったのです。

 一行は、香港空港にまず入り、陸路を使いシンセン市に入る予定でした。

 規則を知らなかった彼は、香港空港で入国を拒否され、いったん上海まで戻り、国内線で駆けつけることになってしまったのです。 シンセン市に入るにも特別許可が必要なので、彼は、上海からシンセン市を通り、香港経由で日本に帰るという理由で許可証を発行してもらい、出席しました。

 許可を得て香港から海外に出た中国人ならば、香港から中国国内に戻れますが、他から出た人は、香港経由では戻れないのです。それが、この直通フェリーにより、 香港に入らず直接広州市などに入ることができるのですから、問題は解決されるわけです。

 同じ国なのに、まだまだ、香港は独立した存在です。もっとも、最近は各所で危うくなってはいますが(^ム^;)


 黄大仙「香油」拒否  2004/03/27
 香港を観光し、大寺院「黄大仙」を参拝した方から、供えている液体は何なのか、そんな質問を受けたことがありました。

 黄大仙祠、香油のお供えを拒否  黄大仙祠(嗇色園)は24日、「4月1日から香油のお供え物は受け付けられない」と宣言した。
25日付『明報』によると、油を供えることは、油を燃料にする灯ろうの明かりで平安を祈るとともに 「油順」(物事がスムーズに進む)と縁起が良い。
 昨年、黄大仙祠に供えられた油は約5万9000本(約3万9000キログラム)に達したが、 91%は品質表示がなく、慈善団体に寄付することができず廃棄処分にしている。
 黄大仙祠では境内での火災を予防する意味からも香油のお供えを拒否することを決めたという。
         日刊香港ポスト2004年3月26日より

 質問され、「油ですよ。サラダ油などの食用油でしょうね」と答えていました。

 油には間違いはありませんが、目的は、「灯篭に使い、平安を祈る」というのが、正しい答えだったようですね。

 また、供えられた「油」は、寺がそれらを売っている業者に払い下げ、循環していると思っていましたが、廃棄していたのですね。

 品質表示が無いということは、どんな油が入っているか判らない。儲け主義で、粗悪な油を入れている業者もありうる。 そんなことからの廃棄であり、拒否なのでしょうけれど、供えることが、文化であり伝統ならば、拒否は良くないと思います。 供え、祈る気持ちを大切にしたいからです。

 品質表示の入った食品としても問題の無い油を販売業者に義務付け、集まった油は、リサイクルするか、慈善団体に食品として 寄付する。拒否するのではなく、そんな方法を、供物販売業者と話し合うことのが良いと私は思います。


 パンダパーティー  2004/03/26
 香港の歴史的なテーマパーク、海洋公園にはパンダが飼育されています。

 オーシャンパークで「パンダパーティー」
 4月3〜25日、オーシャンパーク(海洋公園)では同園のパンダ、「安安(アンアン)」と「佳佳(ジャージャー)」の 来園5周年を記念して「パンダパーティー」を開催する。
 24日付『星島日報』によると、期間中は大人、子供ともに1人130ドルでパンダを間近に眺めながら朝食を楽しむことができる。 さらに同200ドルで飼育係に習ってえさを準備したり、パンダと一緒に記念撮影ができる。
 いずれも予約(問い合わせホットライン2552-0291)が必要。
 また同園では四川省で生まれた3匹のパンダの赤ちゃんの名付け親を1匹20万ドルで募集しているという。
           日刊香港ポスト2004年3月25日より

 「パンダと一緒に朝食ができる」いかにも香港的ですね。この発想、嬉しくなります(^0_0^)

 そして、際目つけが「有料で名付け親」、その金額が日本円で300万円ほど、この金額を高いと感じるか安いと感じるか……。

 パンダ大好き人間を、自他共に認める、某女性タレントさんなら、このくらいの金額なら、払っても名付け親になろうとするでしょう。知ってるのかな?


 7人制ラグビー国際トーナメント  2004/03/25
 明日から、7人制ラグビーの試合が香港で開催され、日本チームの参戦します。

 香港セブンズの入場券完売
 来る3月26〜28日に香港スタジアムで開催されるスポーツイベント「香港セブンズ」の入場券が22日、完売した。
例年3月に行われる同イベントは7人制ラグビーの国際トーナメントで、今年も日本をはじめニュージーランドなど 世界各地から24チームが参戦する。
 日本代表の来港予定メンバーは以下の通り、カッコ内は所属チーム。

 山口智史(コカ・コーラウエストジャパン)
 奥薗裕基(近鉄ライナーズ)
 キリベ・ナロリ(日野自動車)
 カトニ・オツコロ(埼玉工業大学2年)
 山本英児(九州電力)
 吉田尚史(サントリーサンゴリアス)
 正面健司(同志社大学2年)
 三木亮平(ワールド ファイティングブル)
 四宮洋平(ヤマハ発動機・ジュビロ)
 小吹祐介(法政大学4年)
 吉田大樹(同志社大学4年)
 今村雄太(早稲田大学1年)

 トーナメントに関する問い合わせは公式ウェブサイト
    www.hksevens.com
 あるいは香港ラグビーフットボールユニオン(電話2504-8311)へ。
        日刊香港ポスト2004年3月24日より

 完売とのことなので、いまから観戦に行こうしても無理(タフ屋はいるでしょうけど)のようですが、テレビ中継はされると思うので、そちらを 見ることにしましょう。

 それならば、日本にいても見られるわけですから(^ム^;)


 偽物追放  2004/03/24
 公然と偽物を作り売り、取り締まる法律はあっても、警察ですら本気で取り組 んでいない、そんな国も少なくはありませんが、非公然とはいっても、偽物が横 行している香港です。政府は本腰を入れて撲滅に動いています。

 偽物追放キャンペーン、政府が講座
 特区政府は22日、『正貨の都市@香港』と題し、知的所有権に関する講座 を開いた。
 知識産権署が1998年に提唱した偽物追放キャンペーン『ノーフェーク宣 言』に基づく活動の一環。
 同署と香港税関が、香港総商会、香港旅遊業議会のほか、レコード販売、小 売、コンピューター販売などの業界団体と推進している。
 現在、この活動に参画している小売業者・店舗は380社、2300店舗に 上る。
           日刊香港ポスト2004年3月23日より

 なにしろ、すぐ隣に偽物天国があり、住民にもその国出身の、意識の無い人が 多い香港です。必死の対策も、どれだけ効果があるのか、意識改革ですから、気 長に取り組むしかないのでしょうね。

 ところで、キャンペーンの名称に使われている「正貨」という言葉。「正しい 貨物」、つまり偽物ではない本物という意味で使われていますね。でも、日本語 では「正しい価格」と受け取れてしまうのではないでしょうか。いかがですか、 みなさま。「貨」という文字が、「硬貨」にも使われ、日本ではお金の意味を含 むからです。でも、中国語での「貨」はおそらく、「貨物」の方の意味、価値の ある物という意味なのでしょう。

 漢字で書いた場合に、日本語的に解釈すると間違う好例の一つでしょうね。

 漢字は難しい。



 銀行からの電子メールご用心  2004/03/23
 インターネットを使った荒手の詐欺事件が後を絶ちません。恒生銀行が注意を喚起しています。

 恒生銀行かたった電子メールに注意
 恒生銀行では、同行の名をかたった電子メールに注意するよう呼び掛けている。
 19日付『星島日報』によると、この電子メールは顧客に恒生銀行を偽装したサイトにアクセスさせ、 入力された氏名や暗証番号などの個人情報を入手しようと狙ったもので、サイトには 「個人情報が確認できない口座は凍結されます」などと記されているという。
 恒生銀行では個人情報の入力を要求するような電子メールを顧客には一切送っておらず、 何者かが同行のネットバンキングを利用して顧客の預金を引き出そうとしていると見て、 金融管理局と香港警察に捜査を依頼した。
 恒生銀行ではホットライン2822ー0228で問い合わせに応じている。
           日刊香港ポスト2004年3月22日より

 香港銀行からは、郵便で個人情報の再確認が届いています。

 特に変更する必要もないと思ったので、そのまま返信しないで済ませましたが、両方に口座を持っている人なら、 香港銀行に続き恒生銀行がインターネットを使った調査をしていると思い込んでしまうかも知れませんね。

 恒生銀行に口座をお持ちのみなさま、要注意です。


 生活の質の高さ、香港はアジア2位  2004/03/18
 国ごとの生活についてを比較した各種の調査があります。その調査の目的と方法によって、順位がめまぐるしく 変るのは、この種の調査の特徴ですね。

 ポリティカル・アンド・エコノミック・リスク・コンサルタンシー社が「生活の質」について調査した結果、 アジア太平洋地域で香港は2位にランクされた。
 16日付『東方日報』によると、この調査は12カ国・地域に駐在する外国人ビジネスマンとその家族を対象に行われ、 報告書では「香港の生活で最も満足しているのは治安、最も不満に感じていることは住居」としている。
 1位になったのはシンガポール。第3位以下はフィリピン、台湾、中国、タイ、インドネシアなどで、日本は11位だった。
                 日刊香港ポスト2004年3月17日より

 最近は、庶民物価も下がっているらしい香港ですから、住居以外に不満はないというのは理解できますね。堂々の2位です。

 ただ、日本が、12カ国中の下から2番目ということは、ちょっと首を傾げますね。上位ではないにしても、最下位に近いとは……(^ム^;)

 おそらく、「外国人ビジネスマンと家族」とは、欧米系の人たちなのでしょう。

 記事には書かれていませんが、1位のシンガポールと3位のフィリピンを含め、トップ3カ国は、英語が普通に使える国という 共通性がありますから。

 日本が低い評価だったのは、「物価が高い」「英語が通じない」そんなマイナス面が強くでたのでしょう。治安も最近はあまり 良くはありませんし。

 また、フィリピンを別として、5位までに、中国系の国4カ国がすべて入っているのも、ちょっと調査に色が付いていると感じるのは、 私だけではないと思いますけどね。


 エアポートエクスプレス増発  2004/03/11
 SARSの影響から客足が落ち、運行本数を減らしていたエクスプレスが、このところの観光客の増加を受け、増発されることになりました

 エアポートエクスプレス増発、12分に1本
 地下鉄路公司(MTRC)は8日、3月15日より香港国際空港と香港駅を結ぶMTRエアポート・エクスプレスの 運行間隔を現行の15分1本から12分に1本に増やすと発表した。
 ダイヤ改正に関し、同社の担当マネージャーは「昨年上半期には重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響から香港への 渡航者が減ったが、乗客数はすでに回復しつつある」と語り、乗客の利便性を高めるため運行本数を増やすことを決めたと説明した。
 ダイヤ改正に合わせ、MTR駅でのチェックイン・サービスは出発予定時刻100分前の締め切りを10分延長し、 同90分前まで受け付けるという。
                日刊香港ポスト2004年3月10日より

 香港も、長かった不況のトンネルをようやく抜け出したようですね。

 なんとか、出口の明かりが見え始めている日本と比べると、一歩先を行っているようです。

 元気が取り柄と言ってしまえば失礼かも知れませんが、しょぼくれた香港では行っても面白くはありません。多少羽目を外すくらいの、 元気さと明るさが香港に戻ってくることに期待しましょうね。


 中年独身女性の増加  2004/03/10
 女性に限らず、結婚しない・していない中高年が増えている日本ですが、香港 では、特に中年独身女性が増えているようです。

 40代独身女性、過去10年に大幅増加
 統計処によれば、2001年に35〜54歳の未婚男性は11万2329人、 未婚女性は9万5036人で、同齢人口のそれぞれ13、11%を占め、1 991年に比べ比率が増加している。うち35〜44歳の独身女性は10年 前の194%増、45〜54歳は446%増と大幅に増えた。これに対して 同年代の独身男性は84%、107%増にとどまっている。
 現在、満40歳の未婚者は同齢人口の6〜8%を占めるが、20年後には2 0%に達するとの見通しも出ている。6日付『明報』が伝えた。
            日刊香港ポスト2004年3月9日より

 11.2万人が13%、9.5万人が11%ということは、この年齢では、女 性が86万人に対し男性が99万人と、男性が15%も多いことになります。 ずいぶんと歪な人口構成ですね。

 ところで、コラムなのに筆者は、事実を淡々と報告するだけでコメントを していません。おそらく、気が付いていても、書きずらかったのでしょう(^ム^;)

 さて、この年代の独身女性が大幅に増えているのには理由があると私は思って います。そうです、離婚しているのです。離婚すれば、男性の独身者も増えるは ずというのは、日本の常識です。男性の独身者が増えていないのは、男性は離婚 後すぐに再婚しているからではないでしょうか。

 そもそも、離婚の理由が夫の中国での若い愛人問題が多い。離婚後、男性は愛 人を香港に呼び寄せて結婚しているのではと思っています。その結果が、こんな 数字に現れていると推察しています。

 香港は、教育も雇用も完全男女同権です。政府の高官にも女性が多い。香港の 女性は、世界でも最も恵まれた環境にあると思われます。その結果が、強い香港 女性を創りあげた。強い妻に疲れて果てた夫も創られた。

 そんな男性のすぐ隣の国に、若くて考え方は古風でも、男性に従う従順な女性がいる。

 そして、独身女性が増えているのではないでしょうか(^ム^;)


 日本ツアーが大人気  2004/03/09
 4月の上旬、中三日を有給休暇にすれば、3日から12日まで、10連休にな る香港です。日本へのツアーが人気のようです。

 イースター連休、日本ツアーが人気
 清明節とイースターにかけた連休を間近に控え、4月1日から香港特別行政 区(SAR)旅券および英国海外市民(BNO)旅券を持つ香港居住権者は 査証を取得しなくても90日以内の短期滞在を認められることとなり、日本 へのツアー旅行が人気を博している。
 無線電視(TVB)ニュースは、ツアーの申し込み状況が前年同期比30〜 40%増の伸びと報じ、『ビザフリーになったし、4月初めに日本へ行くと 桜が見られる』と日本への旅行を希望する市民の声を伝えている。また、高 額の豪華ツアーの売れ行きも好調だという。
               日刊香港ポスト2004年3月8日より

 去年のこと、香港からのツアー客は、SARSの保菌者ではないかと、白い目 で見られていました。今年は暖かく迎えてあげたいと思っています。

 日本人には普通に見える四季の移り変わりの風景。季節の変化の少ない南や北 の国の人達からは、憧れを持って見られています。日本が誇ってよいものの一つ ですね。

 工業は中国を始め海外に流出することを止めることができません。せめて、日 本の持つ美を積極的に売り込み、観光客の誘致を進めるべきだと思っています。 しだいに経済力を確実なものとしつつある東南アジアです。ようやく、市場とし て考えられるようになってきたことは、嬉しいことですね。


 観光客の過半数が中国から  2004/03/06
 観光客が順調に増えている香港ですが、その増加率もさることながら、過半数が中国からの観光客とは驚きです。

 1月の来港者数、前年比13.1%増
 香港政府観光局(HKTB)が4日に発表した観光統計によると、2004年1月に香港を訪れた旅行者数は 174万8388人で、前年同月比13.1%増となった。
 中でも中国本土からの旅行者数は111万5151人で同48.5%増と大幅に増えている。 今年は春節(旧正月)の連休が1月にかかったことが主因とみられている。
         日刊香港ポスト2004年3月5日より

 これほど、中国からの観光客が増えると、人民元を香港ドルに両替するのもめんどうくさい。香港ではついに人民元の 個人預金も解禁となりました。

 米ドルとペッグ制により、事実上の米ドル基準での安定した固定相場の香港ドルと、長期で予想すると、将来の切り上げ(価値が高くなる)が 期待できる人民元。どちらにも魅力があります。

 おそらく、香港人は、この二つの通貨を、上手に使い分け、資産の分散と利殖、危機管理をも含めて運用してゆくのでしょうね。

 1国で、二つの通貨が事実上通用してしまう。発展途上国では珍しくはないものの、先進国では稀有の国が、香港です。


 尖沙咀は要注意  2004/03/05
 大陸側の繁華街、尖沙咀(チムサーチョイ)地区での軽犯罪が増えているようです。

 チムサーチョイで窃盗事件が大幅増加
 警務処の統計で、チムサーチョイ・油麻地地区で発生した窃盗事件は今年1〜2月で64件に上り、 昨年の3倍に達する勢いであることが分かった。
 3日付『東方日報』によると、同地区で昨年起こった窃盗事件は195件。前年の2倍に増えている。
 犯行現場は九龍公園やプロムナードなど。中国本土からの観光客が狙われやすく、 道路の横断などで注意がそれるときに犯行に及ぶ手口が多いという。
       日刊香港ポスト2004年3月4日より

 バス停や信号待ちの歩道、公園の入口など、狭いところに人が密集するところが危険です。

 数人で取り囲み、一人が押したりぶつかったりして注意を引きつけ、仲間がバックなどの口を開けてまで金品を 強奪します。

 盗まれたことに気づいて追いかけようとしても、逃げる犯人の逃走を他の仲間が妨害するのです。それも、なにげない振りで 妨害するので、仲間だと指摘することもできない。ただただ見守るだけになってしまいます。

 もっとも彼らも、危険を冒して実行におよぶのですから、確実を狙います。お店などで買い物をし、財布をバックにしまう様子を 見ているのです。財布の在りかを確認し、どこまでも尾行してチャンスを狙うのです。衝動的に盗むのではありません。

 大金を所持しているところを見せないことが、唯一の防犯の策です。また、財布をしまう場所を、二重三重にチャックなどで 保護することも良い方法と思います。彼らは、注意をそらせた一瞬を狙うのですから、簡単に財布にたどり着かないようにしておけば 良いのですから。

 過去に2度も盗まれた経験者からのアドバイスです(^ム^;)


 在留日本人数  2004/03/04
 バブルの崩壊後、銀行経営が行き詰まり、アジアの金融のハブでもあった香港 の支店や出先が次々に閉鎖され、一時は2万人を下回ったのではないかと噂され ていた香港の在留邦人ですが、増えているようです。

 総領事館調査、在留邦人数2万5211人
 在香港日本国総領事館が行った2003年度海外在留邦人実態調査の結果、 香港の在留邦人数は03年10月1日現在、2万5211人と発表された。
 内訳は男性が1万4071人、女性が1万1140人。
 また永住者は888人(男性320人、女性568人)となっている。
 在留邦人数は総領事館に届け出られた在留届をベースに算出され、今年度の 調査には届け出済みの在留届に記載の住所に書簡を送付し回答を依頼する方 法で滞在を確認した。
 1999年から2003年までに転出届けを提出せずに離港したと思われる 人数は含まれない。
          日刊香港ポスト2004年3月3日より

 国境を接する中国側、シンセン市を始めとする広東省の治安や生活レベルが向 上し、かなりの企業が、それまでの香港から中国工場をリモコンする方式から、 中国内に入って直接運営する方式に替えていると思っています。

 そんな企業の在留邦人は、中国側に移住していますから、その分だけ減ってい るはず、しかしながら、香港内部の在留邦人が増えているということは、華南地 区全体としては、かなりの数の増加があったということなのでしょう。

 本来は、言葉は悪いですが出稼ぎですから、男性が圧倒的に多いはずなのに、 女の人数が男性に迫っているということは、夫は中国側で働き、週末に家族の住 む香港に帰ってくる、そんなパターンも多いのではと推察されます。

 まだまだ、2万人やそこらですが、これからはもっと増えて行くのではないで しょうか。少なくとも21世紀の前半は、日本から中国への人の流れが激しくな ると思っています。


 国際電影節  2004/02/27
 香港映画好きには目が離せない、恒例の映画フェスティバルが4月に開催されます。

 世界の話題作が一挙に公開される香港国際電影節(映画フェスティバル)。
 28回目を迎える今年は4月6〜21日に開催され、昨年亡くなった俳優の張国栄(レスリー・チャン)、 女優の梅艶芳(アニタ・ムイ)の追悼プログラムも用意されている。
 『リメンバリング・レスリー・アンド・アニタ』と題したプログラムでは、2人の共演作『ルージュ』をはじめ、 レスリー主演の代表作『覇王別姫/さらば、わが愛』や『欲望の翼』、アニタ主演の『男人四十』『川島芳子』など 計13作が上映される。
 詳細は同イベントのオフィシャルサイト(www.hkiff.org.hk)で案内している。
          日刊香港ポスト2004年2月26日より

 香港映画は、香港に住んでいた頃、テレビで放映されるのを見ていた程度で特別フアンでもない私ですが、 香港映画には独特な雰囲気があり、それが大好きという日本人も多いようです。

 4月の下旬ならば、それほど暑くも無く、少し雨が多いくらいの気候です。観光を兼ねての映画鑑賞も良いシーズンですね。


 香港人女性、足に不満  2004/02/26
 世界には数多くの民族があります。それぞれの民族によって顔かたちには特徴がありますから、同じ基準では評価できないはず ではありますが、そこは女性です。より美しくと思うほど、不満も感じているようです。

 あるネット調査によると、香港人女性が自分の体で最も不満を感じているのは足だった。
 24日付『東方日報』によると、この調査は米マイクロソフト社が運営するポータルサイトMSNが香港、 中国本土、シンガポール、マレーシア、タイの5カ国・地域に住む女性の意識を調査したもので、 計6600人(うち香港は1736人)から回答を得た。
 香港人女性の52%が「足が太いこと」を不満に感じており、最も満足している部位は「顔」の35%。 また57%は自分の外見に不満を持っており、5カ国・地域中最高だった。
            日刊香港ポスト2004年2月25日より

 日本人の私の美意識から見ると、香港人女性は、足は合格点、顔は……(^ム^;)。

 でも、ご本人達は、顔には満足しているものの、足に不満がというのが平均的な姿のようです。

 日本人以上に太っていることを醜く思う、そんな風潮の香港ですから、ダイエットが盛んです。私の目から見ると、すらっと細い足の 女性は、日本とは比べ物にならないぐらい多い香港ですが、それでもまだ不満なんですね。

 まあ、欲望にはきりが無いというのは、美醜だけではなく、すべての事柄にも言えることですけどね、みなさま(^ム^;)


 年間観光客2千万人以上  2004/02/25
 四半期のGDPが、年率7%にもなっていた。先日発表されたデータですが、 一般市民にはまだまだ景気回復の実感はありません。気分は不況のままです。同 じように、生活実感は不況の最中の香港ですが、香港政府は強気です。

 旅行者、年間2000万人以上と予測
 香港政府観光局は23日、2004年に香港を訪れる旅行者数が前年比 31.8%増の2050万人に達するとの予測を発表した。
 個人旅行の規制緩和による中国本土からの観光ニーズに加え、日本や米国な どからのビジネス客、観光客を積極的に誘致する考え。
 本土からは同31.7%増、ほか外国からは同32%増と見積もっている。
 マイナス要因として懸念される重症急性呼吸器症候群(SARS)や鳥イン フルエンザの発生について、周梁淑怡(セリーナ・チョウ)主席は「この予 測には織り込んでいないが、香港はゼロ感染を維持している」と影響は少な いとの見方を述べ、また落ち込んでいる日本からの観光客誘致についてクラ ラ・チョン総幹事は「日本の業者が香港の観光プロモーションをサポートし てくれており、協力して誘致を進めたい」と語った。
             日刊香港ポスト2004年2月24日より

 いずれにしても、根明で元気が取り得の香港です。活気の無い香港なんてまっ たく魅力はありませんから、積極的なのは大歓迎ですね。

 かつては、世界の工場と呼ばれ、生産拠点として注目・活用されていた中国で したが、インフラも整い、経済力も高まり、ようやく市場としての13億人の底 力を発揮し始めました。香港もそんな豊かになった中国人を観光市場と見ている のでしょう。
 周辺国の不況をよそ目に、高いDGPの伸びを続けていた中国が、ようやく、 その成長の波及効果を、周辺国に与えるようになってきたということです。

 先の、日本のDGPの数値も、そんな波及効果による値だと思います。そして この傾向は大きな流れですから、簡単には崩れない。ようやく、中国の力を借り て、日本の景気回復の筋道が見えてきているような気がします。

 これまでは、米国ただ1国が頼りだった日本経済が、中国という、もう一つの 頼りになる大国を得たと考えるのは、楽観的過ぎるでしょうかね(^ム^;)


 婚礼産業好業績  2004/02/16
 日本でも、大安の日には結婚式が多いですが、香港では、結婚に良い吉日とい うのがあり、年によってその数に変化があるのだそうです。そして今年は、吉日 が多い年。売上が好調とのことです。

 うるう年で吉日増え、婚礼産業も好調

 今年はうるう年で婚礼に向いた吉日も増えることから婚礼産業の好業績が期 待される。
 12日付『明報』によると、ある婚礼衣装店では1997年以降最も好調で、 1〜2月の売上高は前年比15%増加し、従来2000〜8000ドルとし ていた婚礼衣装のセットを10〜20%値上げする予定だ。
 入境処では婚礼の吉日とされる2月21日、3月6日、4月24日、5月1 5日、5月22日、6月5日、6月12日、9月25日、11月20日にチ ムサーチョイと沙田の結婚登録所の受付時間を延長し、午後4時45分まで とする。
             日刊香港ポスト2004年2月13日より

 一時私が住んでいた所が、チムサッツイの金巴利道でした。この通りには、婚 礼関連のお店が多数並び、さながらブライダル通りでした。

 香港のブライダルショップには、ウエディングドレスが並び、美容院や写真室 を持っているところが多く、その場で着付けをしてメーク、写真まで撮ってくれ るのです。

 値段も、記事にあるように3万円から10数万円程度と手ごろです。本当の結 婚だけではなく、女性一人でドレスを着て写真を撮ったり、観光客の老夫婦が記 念にと、撮影をしているのを見かけます。

 香港観光の記念に、結婚写真を撮影してみてはいかがですか(^0_0^)


 オープンバスとグルメのツアー  2004/02/11
 同じみ香港の日本語良好会社「パンダツアー」ですが、人気のオープントップバスと、香港人にも人気の レストランでのデナーを組み合わせたお得な企画が始まっています。

J3 J6

 ツアーは二種類、コード「J3」と「J6」です。料金はどちらもHK475ドル(約6,500円)と、夕食つきとしてならお安い設定ですね。

 メニューを見ると、伝統的な広東料理と、洋風なアレンジをして中華料理との組み合わせですね、これならば、若い女性の口にも合うでしょうね。

 まあ、中年男性客としたら、お酒の肴になるような料理が少なく、ちょっと物足りない組み合わせかも知れませんけどね(^ム^;)

 このメニューの構成は検討に値しますよ。ともすると、せっかく香港に行ったのだからと、知っている中華料理のメイン料理ばかりを注文する人がいます。でも、 それでは飽きてしまいます。人数にもよりますが、メイン料理を1品が2品、後は、野菜料理に軽めのスープ、炒飯か焼きそばを組み合わせる。人数が多ければ、それらに「饅頭」類を 追加すれば充分です。

 詳しくは、パンダツアーのホームページで確認してください。

     パンダツアー パンダツアー香港のホームページ


 ニワトリ出荷再開  2004/02/09
 鶏インフルエンザに感染したニワトリが発見されたことから、出荷が停止されていた香港ですが、再開されたそうです。

 ニワトリ出荷再開、4万羽が市場へ
 活ニワトリの出荷が6日から再開される。鳥インフルエンザ対策として特区政府は1月30日、 中国本土からの輸入を一時停止するとともに香港域内にある養鶏場からの出荷も一時差し止めた。
 5日午後に街市(公設マーケット)の一斉消毒を実施したが、出荷止めは「流通在庫が過剰ぎみで、 旧正月を過ぎると需要が弱くなる」(衛生福利及食物局の楊永強・局長)との市況に配慮し、 消毒前の完売を狙ったもの。
 出荷再開の6日には18カ所の農場から計4万羽が長沙湾臨時家きん卸売市場へ送られた。              日刊香港ポスト2004年2月6日より

 ちょっと文章がおかしく、「消毒前の完売を狙った」は間違いと思います。売り出すのは消毒が終わった翌日ですものね。

 元々、感染が発見されると、市場に出ている鶏を処分し、市場の消毒を行い、一時停止をして潜伏期間を経過させ、その後に、 農家が飼っている鶏を検査し感染が発見されなければ出荷を開始するというのが、いつもの方法です。

 かつては、恐れがあるからと、飼っていた鶏のすべてを殺して処分したこともありましたが、感染していない鶏までを殺すのは 忍びない、香港政府も学習してきているのです。

 ただ、感染ルートがまだまだ確認できないインフルエンザです、再発の危険が、四六時中あるというのが嫌ですね。


 バレンタインツアー  2004/01/29
 今年のバレンタインデーは、土曜日ですね。会社などで、義理チョコと照れな がらも、嬉しそうにもらうお父さん達には、都合の良くない曜日かも知れません が、このときばかりはと、本命を狙うお嬢さん達には、絶好の曜日でしょうね。 女性から男性へではなく、あくまでも男性から女性への愛の日である香港のバレ ンタインデーです。さぞかし、今年は財布の中身が寂しくなるでしょうね。

 バレンタイン企画でツアー客獲得
 2月14日のバレンタインデーを前に、旅行各社ではカップル向けのツアー を企画して顧客獲得に励んでいる。
 27日付『星島日報』によると、康泰旅行社ではビクトリアピーク、レパル スベイ、スタンレーなど人気のデートスポットを巡るディナー付きのツアー を1人469ドル(約6千円)で打ち出した。新華旅行社では高級車ベンツ を使った香港周遊ツアーを2人1999ドル(一人当たり約1万3千円)で、 永安旅行社では上海市とその近郊を観光する4泊5日のツアーに同市のテレ ビ番組に出演して愛を語り合うイベントを用意している。
 また海外旅行では各社ともバレンタイン向けの南アフリカツアーを1人約1 万3000ドルで、新華旅行社はプロのカメラマンが韓国の人気ドラマ『冬 のソナタ』のロケ地で結婚写真を撮影する韓国4泊5日のツアーを1人32 99ドル(約4万3千円)で売り出しているという。
             日刊香港ポスト2004年1月28日より

 香港ならば、日本からでも1泊2日で充分に行けますね。14日の朝便で行き、 午後3時にはホテルにチェックイン、ナイトクルーズを楽しみ、翌日は午後3時 のフライトで帰国できます。16日の月曜日には、なにくわぬ顔で出社です。

 そんなバレンタインツアーを、女性から持ちかけられたら、妻の存在など忘れ、 おそらく、のってしまうでしょうね。おっと、妻には内緒ですが(^ム^;)


 寒い香港  2004/01/28
 記録的な暖冬が続く日本ですが、香港は、これまた記録的に寒いのが今年の冬のようです。

 寒冷警報170時間を超える
 春節(旧正月)の連休中、寒冷前線の影響を受け厳しい冷え込みに見舞われた香港では 天文台が発令した寒冷警報が7日間続き、26日の午前1時に170時間を超えた。  これは2000年2月の163時間を超える記録となる。
 さらに25日の市街地の最低気温は8.5度と過去8年間で最も寒い一日となり、 新界地区はこれよりもさらに低く、打鼓嶺では最低気温1.6度を記録した。このため 一部農家では葉物野菜を中心に冷害が出ている。
 またこの寒さで老人ホームなどで暮らす年配者4人が死亡した。
 天文台の予報では気温は今後徐々に上昇し、週末には15〜18度まで上がる見込みだという。
 26日付『星島日報』が伝えた。
          日刊香港ポスト2004年1月27日より

 最低気温が1.6度となると、放射冷却を受けると、霜も降るかも知れませんね。

 マカオを旅行したときに、案内をした日本人女性は、10数年のマカオ暮らしで、1度だけ霜を経験したと言っていました。 亜熱帯気候の香港地区でも、寒いこともあるのですね。

 やせ我慢をして、暖房器具を買わないで過ごしてきた人など、大騒ぎをしていることでしょう。(そんな知人が香港に住んでいます(^ム^;)


 豚肉の値下げ合戦  2004/01/23
 米国の牛肉に続き、タイの鶏肉まで輸入禁止になりました。主要な食料を海外 からの安い輸入品に頼っている私達庶民(お金持ちは、高価な和牛を食べればよ いのでしょうから無関係ですね(^ム^;)は、何を食べれば良いのかとさえ、思って しまいます。そんな最中、香港では、豚肉の値下げ競争が巻き起こっているとの コラムです。

 大手2大スーパーが豚肉の特売合戦
 パークンショップとウエルカムスーパーマーケットが豚肉の特売をほぼ同時 に行った。
 20日付『星島日報』によると、ウエルカムの豚肉の特売は20日で終了し たが、パークンは19日から3日間行っている。金額はともに1斤(約50 0グラム)13.5〜19.5ドルで、300グラム以上買うとウエルカム は葉物の野菜300グラムをサービスした。またパークンではサツマイモ1 ポンドをサービスしている。
 先に値下げを行ったウエルカムは「先ごろ、同社の支店で買い付け先が不明 りょうな豚肉を販売するという不手際があった。特売はそのマイナスイメー ジを払しょくするため」とコメントしており、それにパークンが追随した形 だ。
 だが、例年旧正月前後の豚肉の価格は1割ほど値上がりするのが常であり、 今回大手スーパーがこぞって値下げしたことで街市(公設マーケット)の売 り上げに影響が出るとの声も出ている。
              日刊香港ポスト2004年1月21日より

 少し説明が必要ですね。

 香港の流通や物価は二重構造になっていると、折に触れ書いています。今回話 題になっているのは、その上の方の流通のその中では下のクラスのスーパーです。

 香港で最高級はデパートなどの食料品売り場や世界の名品を扱う高級スーパー であり、その下に、2大スーパーと呼ばれている地元商品を中心に扱う「バーク ンショップ」と「ウエルカム」があります。どちらも、システムは日本の大手スー パーと同じように、肉にしても野菜にしても、パック化し小分けにして衛生的に 包装し販売します。

 これらのお店で買い物をするのは、比較的お金のある裕福な階層です。品質と 衛生を売り物に、若干高く売る。

 一方、「街市」と呼ばれるマーケットがあります。政府が場所を提供し、小さ な個人商店が集まっている市場です。ちょうど、アメ横や秋葉原のガード下のお 店のようなのが、ビルの中に入っているイメージですね。

 これらの街市は、値段はスーパーとは比べ物にならないほど安いのですが、ま ず、汚い、臭い。裕福な香港人ならば、足も向けない。街市で買い物をするのは、 貧しい層の香港人と、海外からの出稼ぎ者や、女中さんなどがほとんどです。

 と書くと、もしかすると、香港に住んでいる日本人から、また、「嘘だ」と後 ろ指刺されるかも知れません。なぜって、私もそうですが、日本人は清潔好きと はいっても、けっこう平気でそんな街市で買い物もしますから。でも、知人(小 さな会社を経営するオーナーです)の香港人に言わせると、「街市は不潔なので 自分では行かない。安いことは解っているのでメイドには行かせているけど、自 分で買い物をする時には、多少高くても清潔なスーパーを利用するよ」とのこと なのです。

 話を豚肉に戻すと、確かに安い。100グラムで40円くらいですね。この値 段なら、街市と変らない。安いが取りえの街市です。こんな値段が通り相場になっ てしまうと、どうしても下げずにはいられないし、下げなければ客を取られてし まう。客にとっては良いことでも、売る側には迷惑な値下げ合戦なのでしょうね。


 今年の香港は寒い?  2004/01/21
 ほとんど雪も降らず、暖かいまま、正月も小正月も過ぎてしまった日本ですが、 香港は寒いようです。

 旧暦大みそか、最低気温9度の予報
 季節風の影響を受けて、週明け19日は新界の打鼓嶺で摂氏8度を記録、市 街地でも摂氏10度となった。香港天文台の予報では、この寒波は旧正月元 日まで続き、旧暦大みそかの21日は最低気温が9度、翌22日は同10度 と予測されている。
 日中は日が差すが、朝晩は冷え込み、ともに寒冷注意報の発令が予測されて いる。
              日刊香港ポスト2004年1月20日より

 先ほど(21日の朝)、私のホームページに設置しているウエッブカメラと香 港気象台のお天気情報を確認したところ、今朝の香港は8度でした。1日のあい だの気温の差が少ないのが特徴の香港です。これでは、東京よりも低いくらいで すね。

 香港の冬の日の気温は20度程度です。ただ、寒波が来ると、10度前後まで 下がることが、年に数回あります。どうも、今年の香港はその回数が多いようで すね。日本は暖冬ですが、香港は寒い冬。今年も異常気象に明け暮れるのでしょ うか。

 普通がなにより、なんですけどね。


 お年玉  2004/01/20
 まもなく旧正月の香港ですが、この時期になると話題になるのが「お年玉」で す。日本でお年玉と言うと、正月に大人が子供に与えるものです。中国でも、本 来は、子供、それも、その家の長男にだけ渡すのが本来の習慣のようなのですが、 なぜか香港では、基本的には目上が目下(年長者が年少者へ、上司が部下へ)に 広く与えるということになっています。もっとも、その名称は「お年玉」ではな く「利是」。新年の福を、より福の多い人が、広くおすそ分けをするという縁起 もののようです。

 『お年玉は20ドル』が45%
 『明報』の調査で、『知人への利是(お年玉)袋に入れる金額』を質問した ところ、『20ドル』と答えた人が45%と最も割合が多かった。
このほか『10ドル』が27%、『50ドルあるいはそれ以上』が14%、 『意見なし』14%となっている。
 また利是に費やす金額は『昨年より多くはならない』と答えた人が55%で、 『多くなると思う』と答えた人の24%を大きく上回っており、景気回復が 伝えられても、まだまだ市民の財布のひもは固く締まっているようだ。
             日刊香港ポスト2004年1月19日より

 昨年あるいは、以前の年の相場や実績の数値がいっしょに発表されていないの で、絶対金額については、この数値がどんな変化をしているかが解らないですが、 使う金額の総量が減る傾向にあるということは、記者も書いている通り、まだま だ本格的な景気回復には至っていないということでしょうね。

 私が香港に住んでいた一昨年は、流通している最低金額のお札(お年玉はお札 に限られます)は、20ドルだったので、最低金額は20ドルでした。10ドル 札もあることはあるのですが、流通量が少なく、特に新札(日本の祝儀と同じで 新札が好まれる)など手に入りませんでした。そんな需要を見越してか、本来は コインを発行する香港造幣局が10ドル札を印刷し始めていることは、以前にも 紹介しました。そんなことから、10ドルと回答した人の数値27%は、増えて いるということと思います。

 20ドルは約300円です。相手によっては50ドルや100ドルの場合もあ ることと、数十人に渡すことになるので、総金額はけしてバカにはできない額に なりますが、「福」を分け与えるという考え方はいいですね。香港社会の美徳の 一つなのではと思っています。


 旧正月の花火は1万6688発  2004/01/16
 恒例の旧正月を祝う花火大会は、23日の夜に開催されます。

 旧正月恒例のビクトリア湾を舞台にした花火が1月23日夜、20時から23分間、打ち上げられる。
 14日付香港各紙によると、今年は1万6688発を打ち上げ、費用は昨年より100万ドル以上多い500万ドル以上と 発表されている。スポンサーは香港新界工商業総会。
 10幕のうち、1月1日に施行された中国本土とのより緊密な経済・貿易関係に向けた協定(CEPA)にちなんだ 「CEPAビジネスチャンス」、中国初の有人宇宙飛行の成功を祝った「凱旋と帰還」など時勢を反映したテーマもある。
          日刊香港ポスト2004年1月15日より

 ビクトリア湾での花火大会は、場所が海峡を使っての花火大会であるだけに、安全にかつ大きな規模での打上が可能です。花火大会としては最適な場所です。海上を行く船から打ち上げられる花火は、それは見事です。

 私も6年間の香港暮らしの中、毎年打ち上げられる数回(旧正月だけではなく、アレンダーの正月はもちろん、その他にも各種記念日に花火大会は開催されています) の花火を経験していますし、特に、1997年の中国返還記念の花火は見事なものでした。

 今年の旧正月の花火も、報道の通りなら、かなりの規模の花火大会のようですね。


 国家の安全に対しての国民の認識  2004/01/15
 かつての日本は、空気や水のように、安全が当然のことと思われていました。 よってしばしば、安全は空気や水とは違うのだとの警鐘が鳴らされていたのです。 しかし今、日本は必ずしも安全な国ではなくなりました。そんな国の安全に関す る意識調査の結果が、香港の新聞に掲載されています。

 香港人は国家の安全について最も楽観的
 国際調査会社、TNS社とギャロップ社の共同調査で、香港人は国家の安全 について最も楽観的との結果が出た。
 13日付『東方日報』によると、調査は昨年末に世界51カ国・地域で合計 4万3000人が答えたもの。
 国家の安全に対する評価は世界の平均が27%だったのに対し、香港人は4 4%がプラスと評価し、最も楽観的だった。
 日本人は同評価が4%にとどまった。
 また「今より10年前の方が安全だった」と答えた人の比率は日本の86% が最高。「次世代は今より安全ではないと思う」と答えた人は日本で68%、 香港では53%だった。
              日刊香港ポスト2004年1月14日より

 さてさて、調査結果では、香港を安全だと思っている香港人が44%なのに、 日本が安全だと思っている日本人が4%しかいない。日本は超の字の付くほどの 危険国のようです(^ム^;)。日本は、香港と比べると、極端なくらいに危険な国、 本当にそうでしょうか……。

 香港に実際住んだ経験からすると、香港よりも日本の方が危険度が高いとはど うしても思えません。

 アジアの極東に位置する島国であることから、陸続きでの脅威は無いですね。 宗教的にも対立する国はない。政治的にも日本の政府の基本方針は八方美人外交 ですから、諸外国から敵対視されている事実も無い。

 どこから見ても、香港よりも安全度が低いはずはないのです。でも、日本人の 意識では、安全度が低くなっていると感じている。まあ、10年前から比べると 確かにそう言えないことも無いとは思いますが、基準が違う。

 まあ、この種の調査では、良く現れる矛盾点ですけどね。単純な数値だけで判 断をしてはいけない。そんな見本でしょう。しかし、安全度が下がっていること は事実です。回復する必要もあるでしょう。この調査結果は、日本の政府も警察 関係者も知っているでしょうから、おおいに反省し、国民が安心できる国になる よう、努力して欲しいと思います。


 旧正月、初のナイトパレード  2004/01/13
 旧正月恒例のパレードですが、今年は夜に行われるそうです。

 「キャセイパシフィック・インターナショナル・チャイニーズ・ニューイヤー・ナイトパレード」が 22日20時から行われる。
 旧正月のパレードは今年で第8回を迎えるが、夜の開催は初めて。
 山車10台のほか、香港8チーム、海外17チームのパフォーマンスグループが参加する。
 日本からは秋田県の「竿燈まつり」と岐阜県の「ぎふ長良川勝手おどり」の2チームが参加を予定している。
 予定では20時〜21時30分にチムサーチョイ・香港カルチュラルセンター→広東道→九龍公園ドライブ→ ソールズベリーロードへと練り歩く。沿道の観賞は無料だがスタンド席は150ドル。
 問い合わせは香港政府観光局(電話2508―1234)へ。
             日刊香港ポスト2004年1月12日より

 ディズニ−ランドで証明されているように、昼間のパレードよりは、ライトアップが可能な夜のパレードの方が「派手」にできますからね。

 派手好きの香港人ですから、これまで昼間だったことが不思議なくらいです。

 暗証番号が盗まれる  2004/01/12
 カードでお金を引き出す、ATMを使うには暗証番号の入力が必須です。そし てその暗証番号は他人に知られる、盗まれては大問題です。

 恒生銀行のATMから盗撮カメラ見つかる
 恒生銀行は●湾大河道の3台のATM(自動預払い機)のうち2台に小型カ メラが仕掛けられていたことを明らかにした。
 香港の銀行がカメラの発見を認めたのはこれが初めて。
 8日付『星島日報』によると、恒生銀行は先ごろ、ATMを使用した市民か ら『カメラがある』との通報を受けた。調べたところ2台のATMに小型カ メラが設置されており、警察が押収した。
 小型カメラは顧客の暗証番号などを盗撮するために何者かが設置したとみら れているが、これに関連した被害届は今のところ出ていないという。
 銀行ではこの2台のATMを使用した可能性のある顧客にキャッシュカード の交換を呼び掛けている。またHSBCのキャッシュカードで同ATMを使 用した可能性のある人にもカードの交換を勧めている。【●=草かんむりに全】           日刊香港ポスト2004年1月9日より

 このATMは、勤めていた事務所の近くなので、私も利用していました。まあ、 現在は使っていませんから、私は対象者ではありませんが(^ム^;)

 それにしても、隠しカメラを使ってどんな行為をするつもりなのでしょうかね。

 撮影した映像を分析すれば、暗証番号を知ることはできそうです。盗めるので す。でも、口座番号か、カードそのものを入手できなければ暗証番号を知っても 意味が無い。ATMを使った直後の人からカードを掏り取るか、コンピュータに 侵入して口座番号をも盗まないと現金は引き降ろせない。

 カメラだけを置いても映像は撮影できませんから、その後ろにかなりの設備を 設置していたと思われます。おそらく、無線を使ってデータ伝送をしていたので しょう。取り付けた側もかなりの設備投資をしている。今のところ被害はまだそ れほど出ていない(ほかのATMに取り付けられたカメラでは、実際に被害も報 告されています)ですが、大掛かりな組織がバックにあり、システム開発をして いると考えられますね。そんなシステムはすぐに輸出されますから、日本も危な いことになります。なんていっても、6桁の暗証番号である香港でさえ破られる のですから、4桁の日本なんて簡単ですからね。


 記念乗車券  2004/01/10
 22日は旧正月の元旦ですね。それを記念し、干支の「猿」をあしらった記念乗車券が、MTRより販売されるようです。

 MTRサル年記念乗車券を発売
 地路公司(MTRC)は11日から、エアポートエクスプレスを除くMTR各線のサービスセンターでサル年記念乗車券を発売する。 この記念乗車券には日本人画家、高橋常政氏がサルや中国の吉祥物を描いている。
 旧正月元日(1月23日零時から24日深夜1時の最終列車まで)にエアポートエクスプレスを除くMTR各線を 何回でも利用できる。
 1セット50ドルで乗車券2枚とお年玉袋オープナーになるサルのマスコットが付いている。
 1人1回2セットまで購入でき、無くなり次第販売を終了する。
            日刊香港ポスト2004年1月9日より

 旧正月に出張や旅行を計画しているみなさま、記念にお買いになったらいかがですね(^0_0^)


 香港トラフィックライブ  2004/01/08
 「香港アジアの部屋」のトップページに銅鐸灣のライブカメラを貼り付けていますが、香港政府は、香港の主要交通ポイントの 混雑状況をライブカメラで公開しています。

 香港在住時代は、その映像をテレビの画面で見ていましたが、それが、インターネットで見られることを知りました。

 下記のホームページにて、香港内の主要なポイントの動画を見ることができます。

 http://traffic.td.gov.hk/webcast/eng/main.asp

 見て、どうなる。言わないでね(^ム^;)

 IDカード更新  2004/01/08
 住民基本台帳をネットワークでつなぐ。情報化時代の現在を考えると、先進国 日本なのに、なぜ、これまでできていなかったのかと不思議に思えることなのに、 なぜか、反対する日本人が少なくない。かつて、外国人の指紋押捺が大問題になっ た日本。でも、外国人どころか、自国民の指紋押捺や個人情報のネットワーク化、 国民番号化なんて、先進国はもちろん、発展途上国でさえも当たり前のことなの に、それを理解できない、頭の遅れた日本人のなんと多いことか。

 1964〜65年生まれ、ID更新の予約受付中
 1月12日〜3月13日、1964〜65年生まれの香港居住者を対象に香 港身分証(IDカード)のスマートカードへの切り替えが行われる。
 身分証番号に『A』または『***』の符号、もしくは99年以降に発行さ れた身分証で『R』の文字が入っている人は既存のIDカードを持参して手 続きをし、それ以外の人は既存のIDカードに加えてパスポートなど香港の 居住条件を証明できる身分証を携帯のこと。
 申請手続きの予約は電話1838333
 政府ウェブサイト http://www.esd.gov.hk
 または『生活站(ESD)』の端末から受け付けている。
 問い合わせは電話2824―6111
 ウェブサイト http://www.smartid.gov.hk で申請場所・時間など の詳細を案内している。
           日刊香港ポスト2004年1月7日より

 7日付本紙の『1964〜65年生まれ、ID更新の予約受付中』の記事中「身分証番号に…」と記載した部分を 「居住身分符号にAまたは***の符号、もしくは99年以降に発行された身分証で居住身分符号にRの文字が入っている人」 に訂正します。(編集部)
 日刊香港ポスト2004年1月9日より

 私も香港のIDカードを持っています。もっとも、すでに居住期限を越えてい るので有効ではありませんけどね(^ム^;)

 そのIDカードを貰うには、役所に申請をします。外国人だけではなく、ある 年齢になった香港人も、まったく同じ窓口で申請して交付を受けます。その時に は、顔写真の撮影はもちろん、両手、10本の指の全ての指紋を押捺することが 義務です。もちろん、自国民である香港人も指紋押捺します。

 以前のIDカードは、顔写真が入り、ID番号が印刷された単なるカードでし たが、今回、ICチップの埋め込まれたスマートカードへの切替が順次進んでい るのです。かなりの容量の個人データが書き込まれたカードへの変更です。

 そしてもちろん、そのID番号やデータはネットワークで管理されています。 街を歩いていて警察官に職務質問を受けると、まず、IDカードの提示を求めら れます。カードを受け取った警察官は、端末を使って情報検索し、本人確認を即 座に行います。

 米国で生活したことはありませんが、知人によると、米国ももちろん、個人を 特定するID番号を使ったネットワークが動いているそうです。指紋押捺なんて 当然、それが悪いことだなんて思う人はいないようです。

 住民台帳ネットワークに侵入実験をしたが入れなかった。ついでにした実験で は、自分の役所のネットワークに不備が見つかったのに、それを理由に全国ネッ トワークが信頼できないと言い切る。理性ではなく、あたまからの不信感でした 物が考えられない不可思議な日本人が多い。その代表である、海の無い本州中央 部の県知事さんの頭の中などは、縄文時代のままなのでしょうね。


新暦ですが、明けました(^ム^;)  2004/01/01
 旧暦、農暦で新年を祝うのが香港ですので、グレゴリー暦の新年には淡白ですので、大きなイベントはありませんが、それでも、国際標準の2004年が 始まったのは香港も同じです。良いとか悪いとかは別として、新年は新年として気分を改めてスタートしましょうね。

 これまでは、あまりにも、香港に思い入れ、ひいきの気持ちが強過ぎると、各方面から批判を頂いていました。でもそれは、香港が好きなんだから仕方が無いじゃん。そう思って 批判や非難に耐えれきていました。でも、今年は、少しは中立の立場に戻り、香港をアジアを、そして日本を考えて行きたいと思っています。

 20世紀後半は、日本の世紀でした、でも21世紀は、そのどこの国ではなく、アジア全体の世紀です。そして、そこに住み暮す私たちが、流れを創って行くのです。

 流れに流されるのではない、流れを創る私たちでありたい。21世紀のアジアを創ってゆきましょうね。



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hpmanager2@albsasa.com Albert 佐々木