バス・ミニバス



香港の足「巴士(バス)」

 香港の公共交通機関には種類が多く、「地下鉄」「MTR(電車です)」「タクシー」「フェリー(船)」 「路線バス」「ミニバス」などがありますが、日常の足として最も便利なのが、路線バスとミニバスです。バスは、広東語では「巴士」と書きます。

 数え切れないほどの路線が、香港中を網の目のように覆っていて、どこに行くにも、巴士を使うのが最も 安くすみます。ただ、とても覚えきれるような路線数ではないのが、玉にキズです。

路線バス

 香港の大手路線バスには、「九巴 KMB」と「城巴 CityBus」に、空港を中心とした「新巴 New Bus」と、ランタオ島が営業エリアの「大嶼山巴士 NLB」の4社があります。

 路線バスの乗り降りは、基本的には日本と同じ、決まったバス停で乗り降りします。バス停には路線の表示が あるますから、乗りたい路線が書かれている(漢字なのでだいたい判ります)バス停を探し、待っていれば良い のです。降りるには目的の場所のバス停の手前で社内にある赤いボタンを押します。次のバス停で停車するとの 赤ランプの表示が点灯するので止まったら降りれば終わりです。

 料金は、乗る時に支払うワンマン方式です。運転席のすぐ近くのドアが乗車口ですから、そこから乗って、 表示されている料金を箱に入れます。日本と違うのは、おつりはでませんので、ちょうどの金額が無ければ、 多めに入れなければなりません。バス料金は安いですから、無駄にする金額はささいな額です。

 現金でなくても、共通プリペイドカード(オクトパスカード、漢字で八達通というICカード)を買っておけば、 カードマークの付いた端末にカードを近づけるだけで支払いは済み便利です。

 香港の「路線バス」で面白いのは、普通のバスと二階建てバス、それぞれ、エアコン付きとエアコン無し(現在はほとんど無いと思いますが)とで 同じ路線を走っていても料金が違うことです。1台のバスで乗車できる乗客数が多いからでしょうね、普通バスよりは 二階建てバスの方が料金は安く、エアコン付きよりもエアコン無しの方が安いのです。実にリーズナブルな考え方です。 香港人の合理主義が垣間見えます。

シティーバス(CTB)(城市巴士=城巴・City Bus)

 香港島サイドを主に運行するバス会社の1つです。

 黄、赤、青を基調とした派手なカラーリングの車体は、いかにも香港という感じです。

 1979年創業の当社は、港湾作業員のために1台きりの貸し切りバスを運行する会社だったそうです。その後、1982年に九龍塘駅から沙田第一城までの団地バスの運行をスタートさせ路線バス会社としての地位を獲得しました。

ファーストバス(新世界巴士=新巴・New World First Bus)

 CTBと同じく香港島サイドの路線を主に運行している会社です。

 白と緑とオレンジ色が基本色のバスは、すっきりとしていてスマートですね。1924年に香港島をメーンに開業したチャイナモーターバス(中巴)が、 1998年に経営権を放棄したので、それに代わって、全面的に経営権を引き継いで開業したのが、ファーストバスです。

九龍バス(KMB)(九龍巴士=九巴・Kowloon Motor Bus)

 1933年に設立された老舗のバス会社です。

 九龍と新界エリアを走るバスのほとんどを運行しており、業界シェアが最も大きい香港を代表するバス会社であり、香港全域で約400本の路線、4000台以上のバスを運行しています。

 1日の平均利用客は、300万人以上と、人口の半分が利用しているという、恐るべき会社です。

大嶼山バス(NLB)(大嶼山巴士=New Lantao Bus)

 香港空港のあるランタオ島を営業エリアにしているバス会社です。

 大きな石造りの大仏のある「寶蓮寺」には、この会社のバスで行くのが便利です。



ミニバス

 「ミニバス」にも二種類あります。屋根が「」ミニバスと「」のミニバスです。

 「」い屋根のミニバスは、出発地と目的地、大まかな路線は決まっているのですが、バス停はありません。道が乗車禁止 (路肩に黄色いペイントがしてある場所)でない限り、手を揚げて合図をすると止まってくれ、降りたいところで 声をかければ降ろしてくれますし、普通通る道ではなくても、近くなら言えば廻ってくれます。料金も均一料金では なく、乗った場所と降りる場所で変わりますので注意が必要です。間違って払うと運転手さんに叱られます。

 「」の屋根のミニバスは、路線バスと基本的には同じです。特定のバス停があり、料金は、全路線均一の場合と、 終点に近くなると金額が変わる場合がありますが、乗車する時に表示されている金額を先払いすれば良いのです。

 以前は、ミニバスの料金というと現金で払うのが普通でしたが、最近はプリペイドの「オクトパスカード(八達通)を使い、入り口の受信機に近づけるだけで支払いが済む タイプの車両が増えていますので、小銭の心配はなく便利になりました。

 ただし、このミニバスの運転手さんたちは、困ったことに英語が通じる人はほとんどいません。乗るときには、手を揚げて合図をすれば、乗るに決まっていますから 問題はありませんが、降りるときには声を掛けなければなりません。これが難しい(^ム^;)。まあ、大きな声で「ムゴイ」と言えばよいのですが、なかなか言えませんね。私もそうでした。

 仕方が無いので、なるべく運転手の近くに乗り、次で降りたいところまでくると、普通の声で「シンサン(先生)」と声を掛ければ、ルームミラーでこちらの顔を確認し、 外国人とするにわかりますから、黙ってうなずいて停めてくれました。

 どうしても運転手の近くに乗れなかったら、目的地の近くで、香港人が降りるタイミングを見計らい、多少手前でも行きすぎていても、歩けばたかが知れていますから、一緒に降りるようにしていました。

香港バス路線指南



 地下鉄(MTR)と電車(KCR)の駅を中心に、付近の街の詳細地図がこの本ですが、巻末の付録にバスの路線を路線番号順に、 始発から終点までの経路詳細が付いています。バスには、この路線番号が大きく書かれているので、バス利用者にもこの本は便利です。

 この本は、書店だけではなく、セブンイレブンにも売っていますので、簡単に入手が可能です。日本円で千円ほどです。

 判りづらいバスではありますが、行きたい先が観光地などの有名な場所なら、ほとんど確実に路線がありますから、 バスの前の行き先表示版を見て目的地と同じならば乗ってしまえば安上がりです。

 料金は、日本の常識から考えると信じられないほど安いです。路線バスでは、数十円からせいぜい高くても300円 くらい。ミニバスは乗車定員が少ないので効率が悪いからか、路線バスの2倍くらいです。それでも、タクシーの 料金と比較すると、同じ距離を乗って5分の1以下ですから、安上がりです。

 最後に、香港は狭いところですから、たとえ間違ったバスに乗り、違う場所に行ってしまっても心配はありません。 タクシーが24時間走っていますし、その料金は日本の3分の1以下と安価。わからない場所に行ってしまったら、 タクシーを止め、知っている場所まで行ってもらえばそれでよいのですからね。



街のコンビニなどで売っているミニチュアカーです。1個500円くらいでした。
 バス会社各社の公式ホームページです。
九巴KMB 新巴NewBus 城巴CityBus 大嶼山巴士Bus

香港空港からの中国直通バス

 番外ですが、香港空港から中国への移動には、直通バスが便利です。

 ただ、路線が多く、解りずらいのが玉に瑕ですね。そこで、案内のホームページを探してみました。

      中国旅行社 中国旅行社直通バス案内


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hpmanager2@albsasa.com Albert 佐々木